2025.11.6
| 日時 | 12月11日(木) 16:00~ (15:30開場) |
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| 場所 | 日本文藝家協会 会議室 千代田区紀尾井町3-23 文藝春秋ビル 新館5F ( 地下鉄 有楽町線 麹町駅1番出口より3分) |
| 参加費 | ¥1,500/ワンドリンク付き |
| お申し込み | 脱原発社会をめざす文学者の会 事務局 FAX 042-593-6642 日本文藝家協会 事務局 電話 03-3265-9657 FAX 03-5213-5672 Email bungei@bungeika.or.jp ※尚、定員になり次第締め切らせていただきます。(定員30名) |
| 主催 | 脱原発社会をめざす文学者の会(日本文藝家協会 共催) |
いまから25年ほど前、還暦を迎えた私は戦後における日本とアメリカとの関係をとりあえず総括するのに絶好の機会だと感じました。昭和15年に横浜で生まれ、物心ついたときには私を取り巻く環境はすべてアメリカ軍が設置した鉄条網で囲まれていました。我が物顔で振舞うアメリカ進駐軍が支配する租界の壁の外周を徘徊する世界でした。そんな環境下で、入学した元町小学校は山手と元町に隣接し、校門前のトンネル入り口にはアメリカ兵を慰安するクリフ・サイドと呼ばれた大きなクラブがあり、朝から起きがけの女給さんが宿舎とクラブの間をうろうろしていました。自宅はその山手の急な坂を下り元町商店街を通り抜け、ダルマ船で埋め尽くされた運河を渡り、さらに朝鮮人街、そして中華街を抜けたその先にありました。その後大学を卒業し実社会に飛び込みましたが、気がつけば半世紀以上もの間、世界各地を渡り歩き、あらゆる人種と相まみえる人生を過ごしていました。今回話題に上がった2冊の本「アメリカ抜きで世界を考える」と「反面教師アメリカ」は25年以上前に出版されたものですが、敗戦から半世紀を過ぎた時点で日本がアメリカと歩んできた軌跡を自分なりの歩んできた体験を中心に検証しておく必要があると感じたからでした。
今回、幸か不幸かトランプ大統領が再選したことで前著がわずかながらも世間の注目を再び受け、それがご縁で日本文藝家協会からトランプ大統領の今後の動向について話す機会をいただき身に余る光栄を感じています。前述の本を出版後、変わらぬ世界、いや更に混迷に向かう世界に絶望し、ほぼ筆を折る時間を過ごしてきました。ただ、確信をもって言えることは前述の本の内容自体は登場する人物の多くが物故者になった以外、アメリカ一国覇権主義の潮流は殆ど変わっておらず、日本をはじめとする他の国々が新世界連合といった究極の秩序を、アメリカを対象軸に立ち向かっていく覇気と思考を組み立てることが必要だと感じる昨今です。
※堀 武昭さん…ジェトロのオ一ストラリア駐在員を皮切りにオ一ストラリア外務省、および豪日交流基金アドバイザ一、米日財団副理事長、関東学院、東京成徳大学、アングロ―アメリカン大学教授等を歴任。その外、プラハにあるフォ一ラム2000財団理事、政策大学院大学、カレル大学客員教授なども務め、その活動領域はアメリカからオセアニア、中欧、中近東にまで及んだ。
経済学だけでは推し量れない人間社会と経済の根本的関わりに一貫して興味を抱き、研究領域はアメリカの覇権主義から日本のサシミ文化、グローバル・コモンズにまで及ぶ。
2002年から5年にかけて、世界の文筆家が表現の自由の確保と相互理解を図る組織「国際ペン」の理事に就任。2010年9月の国際ペン東京大会にて実務上国際ペンの最高責任者である専務理事に選出され(二期6年)、その後副会長に就任、現在に至る。
著書は南太平洋の日々、オ一ストラリアの日々、マグロと日本人(以上NHKブックス)、東欧の解体・中欧の再生、サシミ文化が世界を変える、反面教師アメリカ、アメリカ抜きの世界を考える(全て新潮選書)、ペンは世界を変える(長崎出版)、「二刀流英語」のすすめ(論争社)、Tuna and Japanese(Pergamon)など多数。
Takeaki HORI(Mr)。
Anthropological writer、vice president of PEN International(London).
His main interest is to explore cross-cultural relations and areas of dissonance between Japanese society and other cultures.
Previously he worked as public relation director of JETRO in Sydney, advisor attached to the Ministry of Foreign Affairs, the Commonwealth of Australia, vice president of the US-Japan Foundation (New York), director of the Forum 2000 in Prague and professor of GRIPS ( Graduate Institute of Political Studies) in Tokyo, Visiting Professor of Charles University in Prague, and other Universities.
Some of his books are Australia Now, Tuna and the Japanese, The South Pacific Islands-its problems and people-, Disbanded Eastern Europe and Resurgence of Central Europe, America-Mirror for Japan-, Future World without American Hegemony, Sashimi Culture-Globalized and others.
Currently, he serves to Pen International as vice president.